本記事はXアカウント:@hippoassetの記事です。
本記事は@ActiveIndexさん企画の「金融系 Advent Calendar 2025 #金融系_AC」の記事です。DMで声をかけられたのでカーブコラとカーブグッズの話でも書いてやろうかと軽い気持ちで参加表明したところ、初っ端からクオリティの高い規制動向の分析という真面目な記事が出てきてしまい、続く記事も普通にどこかの小説やエッセー、経済誌のコラムとして通用しそうだなというレベルの長文がポンポン出てきており、大変困惑しています。

てにをはとコンプラにうるさいのは単にXで人の揚げ足を取るためのスキルでなく、何かモノを書かせるとなるとなるほどどうして凄いんだなと改めて感心した次第です。
さて、私の方はカーブコラの話をいったんお蔵入りにし、まじめな流れに乗って久しぶりに昨今のファクター投資を巡る議論の話でもしようかなと思います。
今回の取り上げるテーマは”Causal Factor Investing”です。タダで読めそうなのは以下ですかね。その他有料版は適当にご自身の契約先のジャーナルなどからご参照ください。
***Causal Factor Investing Causality and Factor Investing: A Primer***
ちなみに2つ目はCFA協会のPLクレジットになるので、ホルダーの方は読んだ扱いしていいですよ。え?年間20のPLクレジットノルマなんて真面目にやってない?そう・・・
今回取り上げた”Causal Factor Investing”はファクター投資に因果推論の概念を持ち込もうという話です。最近だと和泉先生がそんな感じの話を書いていました(金融分野における因果推論の 展開)が、日本ではまだこの手の話題が本格的に議論されていない(※)気がしており、適当な邦訳がないのでとりあえず”因果ファクター投資”とでも訳しておきましょうか。
※ファクターを因子分析とか構造方程式モデリング(SEM)でやってみたとかもあるんですがあまりメジャーな気はしません
著者は我らがMarcos M. López de Prado先生です。FalseStrategyTheorem(偽戦略定理、統計的に間違った投資戦略の発見をしてしまうファイナンス界のp-hacking的なものを定理化したもの)で有名ですね。Xの金融クラスタ界隈で一時期ベストセラー化した「ファイナンス機械学習」の著者でもあります。今回の話はやや趣が異なりますがもちろんこれは読んでいることが前提です(嘘です)。なお、主にリスクモデルとしてのファクターモデルの議論なので機械学習系などでの儲かる予測モデルを作りたい!って人はあんまり興味ない話かもです。

これなんで流行ってたのマジで。本当にみんな読めるの?